第97回多言語社会研究会例会のお知らせ

第97回多言語社会研究会東京例会を、4月27日(土)に、以下の要領にて開催いたします。

みなさま、奮ってご参加ください。

なお今回は、情報保障に関する試行として、手話関係の発表に手話通訳をつけることといたしました。


日時:2024年4月27日(土)14:00-18:00

会場:東京大学(本郷キャンパス)東洋文化研究所3階大会議室

https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

参加費:500円(対面・オンライン) ※対面参加者は会場でお支払いください。オンライン参加者については、例会終了後、下記Zoom登録リンクに入力されたメールアドレスに支払い方法を連絡します。


今回の研究会はオンライン(Zoom)でも参加頂けます。

オンラインでの参加を希望される方は以下のフォームからお申し込み下さい。

登録リンク

https://zoom.us/meeting/register/tJMod-GgpzIsGt1ec1yMdRizQdkpnwVW3lGP


(以下、各報告の開始時間はおおよその目安ですので、若干前後する可能性もあります)


<報告1>14h00〜 (手話通訳あり)

タイトル: メディアにおける手話翻訳の担い手としての「ろう通訳者」

報告者: 高嶋由布子(国立障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部)

要旨:

 手話通訳は従来、聞こえる人が聞こえない人に対し、音声を手話に感覚モードを変換する作業として理解されてきた。現在の手話通訳士の認定試験は、音声を聞いたり、話したりする必要があるため、事実上「聞こえること」が条件になっている。しかし、国連の障害者の権利条約に基づくと、手話は言語と定義され、手話通訳は言語間通訳となる。ICT活用の進展を背景に、ウェブアクセシビリティの向上のため、新たな情報保障の方式として、ウェブ動画への字幕と手話映像翻訳の付与が必要になりつつある。手話映像翻訳は、字幕をもとに、ろう者の手話通訳者(ろう通訳)が行える仕事であり、すでに実践例がある。ろう者が書記日本語から日本手話への通翻訳の担い手になるのに、現在まで、認定の仕組みがない。第一言語として日本手話を習得し、使用している人たちが、手話の映像翻訳を担当することは、ろう者にとってより分かりやすい情報保障を可能にするだけでなく、言語コミュニティがどのような言語を選んでいるかを示すことができる。このことで、音声日本語に依った表出が多かった手話通訳における言語的な規範を変えていくことも期待できる。


キーワード:手話通訳、手話映像翻訳、ろう通訳、情報保障、言語権


<報告2>16h00〜

タイトル: 技能実習制度と特定技能制度の相違点とは何か―特定技能外国人へのインタビュー調査から―

報告者:王瀅鴿(大阪大学人文学研究科、博士後期課程)

要旨:

 日本政府は移民政策をとらないとしながらも、「技能実習」や「特定技能」という「移民」とは異なる概念を導入することにより、外国人を事実上の労働力として受入れてきた。技能実習制度には職場移動の制限や中間搾取の容認という構造的な問題がある。それゆえ、技能実習生の受入れが進むとともに、低賃金労働や長時間労働などの人権侵害、もしくは技能実習生の失踪といった問題が絶え間なく報道されている。そんな中、特定技能制度が新設され、技能実習生が「特定技能」に移行できるようになった。しかし、特定技能制度にもさまざまな課題が存在する。悪質な仲介業者の排除や低賃金労働の回避が困難であることなど技能実習制度の問題と重なっているものもある。このような背景を踏まえ、本研究は「技能実習」から「特定技能」に移行した特定技能外国人へのインタビューを通して、表面上は異なるが実質的にはそれほど大きな違いがない両制度による外国人受入れの実態を浮き彫りにする。


キーワード:技能実習、特定技能、外国人受入れ制度、半構造化インタビュー